大根島は島根県松江市八束町、汽水湖の「中海(ナカウミ)」の北東にある島で、火山活動によって出来た火山島です。隣にある江島も火山島で防波堤道路によって地続きになっています。
『出雲国風土記』によると、天羽々鷲がタコを捕まえて飛んできて、この島に来た事で『蜛蝫(たこ)島』と名前が付いたと記されています。
蜛蝫(たこ)から太根(たく)そして大根(たいこ)最終的に大根(だいこん)に呼び名が変わったと考えられています。隣の江島も蜛蝫(たこ)島にいたタコがムカデをくわえて来たと記されていて、江島も昔は蜈蚣島(むかでじま)と記されていました。
特産品は『牡丹』と『雲州人参(薬用ニンジンの御種人蔘)』。牡丹栽培は約300年前に島内に在る全隆寺の住職が遠州(静岡県)の寺『秋葉山可睡斎』から薬用として持ち帰り、境内に植えたのが始まりとされています。島内には牡丹が見所の日本庭園「由志園」があり現在では島の牡丹は日本一の生産量を誇っています。
雲州人参は財政がひっ迫する『松江藩』の財政再建のための特産品として1773年(安永2年)に栽培の試みが始まり、栽培法の研究を担当していた藩士「小村茂重」により安定的な栽培法の開発に成功し松江藩の財政を再建させました。現在では雲集人参は大根島と江島だけで栽培されています。
大根島は火山島なので溶岩洞が存在します。
『大根島の熔隧道岩』は、「幽鬼洞」と呼ばれ特別天然記念物に指定されています。落盤等の危険があるため現在は立ち入り禁止です。
『大根島第2熔岩隧道』は「竜渓洞」と呼ばれていてこちらも特別天然記念物に指定されています。
こちらは事前の申し込みをすれば見学することが出来ます。
文章:北山南河
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