コラム

『友がみな我よりえらく見える日は』(幻冬舎アウトロー文庫)のご紹介

 

本書は、上原隆によるノンフィクションです。

著者の上原氏は、評論家の鶴見俊輔を師匠とするライター・コラムニストです。

 

「ひとは、こころが折れたとき、なにを支えに生きていくのか」

というテーマで、市井に生きるふつうの人々を取材します。

 

タイトルは、石川啄木の歌集「一握の砂」のなかの以下の代表的な短歌からもじったものです。

 

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ

花を買ひ来て妻としたしむ

 

 

 

病気に苦しむ人や容姿に悩む人、失業問題や人間関係に悩む人など、ごくごくありふれた普通の人に対して、著者はインタビューをします。

 

世間で話題になるのは有名人や著名人であり、ふつうに生きる私たちと同じような人たちが

本当のところどんな風に生きているのかを知る機会はあまりありません。

 

レビューなどでは、つらい立場の人の話を読んで他人の不幸を喜ぶ後ろ向きな本だという評価もあり、たしかにそれはそうかもしれません。

 

しかし、そういうものが必要な時というのもあるし、仕方ないところもあるので、あまり追い詰めて考えないほうがいいということもあると思うのです。

 

前向きにパワフルに生きている人は手に取る必要のない本ですが、つらいのは自分一人ではないことを知る意味でも、自分を支えるための一助となり得る本なのではないでしょうか。

 

 

文章:増何臍阿

関連記事

  1. エッセイ『便利な世の中』
  2. フランツ・カフカ『城』前田敬作【訳】新潮文庫
  3. 興味がないものは「いらない」か?
  4. 挫折の乗り越え方
  5. 世界の国と国旗☆第93回目 セントビンセント及びグレナディーン諸…
  6. 『La Peste』(Albert Camus)
  7. なあなあ、本読まへん?
  8. 精神状態が不安定な時に

おすすめ記事

マイナスのスパイラルにストップ

  自分を不幸だと思っている奴に限って、第三者への愚痴や不満が多いように感じられる。…

プラス思考も取り入れていこう(ありのままを大事にしながら)

 プラス思考がもたらす効果  人間はプラス思考によってもたらさせる効果があり…

エッセイ:『Dad’s complaints(おじさんのボヤキ)』

イライラすることが多いおおむね人間関係によるところが多いのだががんばってもし…

終わらないコンテンツ

アマゾンプライムやネットフリックスなどのサブスクリプションは、その利…

燃える闘魂、アントニオ猪木

元プロレスラーのアントニオ猪木さんが、2022年10月1日に、お亡くなりになられ…

新着記事

PAGE TOP