福祉・医療

障碍者の生涯工賃と比べてみた

 

 障碍者の生涯工賃は、一般会社に努めている健常者の1年分の収入にも満たない。信じられないかもしれないけど、一部では起こっている事実である。

 

 利用者がB型作業書に通所しているとする。1ヶ月の平均工賃は15000円前後といわれているので、1年で18万円前後しかもらっていないことになる。最低時給を保証していないとはいえ、あまりにも寂しい数値ではなかろうか。

 

 B型作業書に30年間通所していたと仮定する。平均額の工賃であった場合、総額は540万となる。健常者は年収で600~700万円もらっている社会人も少なくないことから、生涯工賃は上記の社会人の一年分の年収にも満たないということになる。

 

 平均の工賃をもらっていればまだましといえる。平均の半分以下という利用者も少なくない。B型作業書の最低工賃は3000円と定められているので、最低工賃であった場合は年間に36000円しかもらっていないということになる。最低工賃の利用者は30年近く通って、ようやく100万円に届く計算になる。A型作業所の一年分と同じくらいの給料とほぼ同額だ。

 

 知的障碍、重度の身体障碍などでB型作業所にしか通えない、利用者の待遇の改善を願ってやまない。障碍を抱えているだけで、不利益を被るような社会構造が変わるといいな。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 障碍者支援機関との関係を切るのを最終目標にしよう
  2. 高次脳障害向けの支援を行う事業所を探してみよう
  3. 脳性麻痺があっても前に進み続ける
  4. 精神安定剤のリーゼを減薬する方法
  5. 時代の変化が発達障碍者の仕事を奪った
  6. 伊藤周平『社会保障入門』(ちくま新書):ケアを考えるシリーズ3作…
  7. ショートショート『二度自信を失う』
  8. オートファジーシステム(16時間断食)が注目されている

おすすめ記事

エリートは苦労知らず…? 馬鹿な事言うな!!

「エリートは良いよなぁ…」 「エリートは挫折も苦労も知らないよな」そんな言葉を言…

散文詩:『存在の数値を高めようとすれば』

存在の数値を高めようとすれば、それを抑え込もうという動きがうまれる。争いのない世界の実現を願…

「此経難持」(シキョウナンジ 此の経は持ち難し)

 仏典に「この法門を申すには、必ず魔出来すべし。魔競わずば、正法と知るべからず。…

「運」の善し悪しなんて気にしないで下さい! 

『「運」の善し悪しなんて気にしないで下さい!』「運」より「地道な…

2021年の衆議院選挙が終了

 2021年の衆議院選挙が終了しました。個人的な感想を書いていきたいと思います。…

新着記事

PAGE TOP