十一月の後半に差し掛かろうとしている。温暖化で平均気温があがったといっても、さすがにこの時期ともなると肌寒く感じる。寒さ防止のための上着が必需品となる。
本日の夜御飯は何にしようかな、京子は買い物かごを片手にそのようなことを考えていた。
ご飯のメニューを考えるのは面倒だ。おいしい料理を手間暇をかけずに、完成させられればいいのに。
スーパーの店内を歩いていると、京子の二つの瞳に白いうどんが飛び込んできた。彼女は細長い麺を見て、鍋にしようかなと思った。寒い時期にぴったりの一品だ。
うどん鍋のお供になる鶏肉、豚肉、白菜、えのき、ネギなどをかごに入れる。これらと一緒に煮込むことで、具材のうまみ成分が麺に入っていく。相乗効果によって、単品に火を通した場合よりもおいしく感じられる。
最後に待っているのは熱々の雑炊。鍋の残り汁で作ることによって、ご飯のよさが際立つ。卵、塩(味の調整)、のり、みじん切りにしたネギを投入し、白米に更なる深みを持たせる。
京子は買い物を終えると自宅に向かった。レジ袋の中に入っている具材が、いつもよりも輝いて見えた。
文章:陰と陽