変則将棋として王手将棋が挙げられる。
基本的な将棋では王を詰ませば勝利となるのに対し、王手将棋では王手をかけた時点で勝ちとなる。先手が七六歩と指し、次の三三角成が王手となれば勝負が決する。後手は二手目に王手にならないような状況を作る必要がある。
王手将棋は王手をかけるだけで終わってしまう。それゆえ、回ってくる手番がかなり少ない。一手一手を正確に指す高度なスキルが求められる。単純だからこそ、難しい一面を持ち合わせている。
歩であったとしても相手に渡してしまうと、命取りになりかねない。王手の先に歩を打てば(二歩は禁じ手)それでゲームセットとなる。飛車、金、銀といった王手のかけやすい駒を取られたら、その時点で負けとなってしまう。
通常の将棋では見られないような手が指されることも少なくない。王手の真横に角をタダで打つのは、王手将棋ならでは。駒損よりもいかに王手をかけられる、状況を作るかに重点が置かれる。
スリルを楽しみたい、普段とは異なる将棋を指してみたいのであれば、王手将棋を指してみてはいかがだろうか。
文章:陰と陽