氷河期世代(1993~2004年頃に学校を卒業)を対象とした、兵庫県宝塚市の正規職員の採用が行われる。
採用人数3人に対し、既に1800人を超える応募があった。南は沖縄、北は北海道まで仕事を求めて、正規職員に応募した。宝塚市は500人の上限を想定していたらしく、試験会場を3か所から10か所に広げて対応するとのこと。
宝塚市の正規職員の応募は、安定した仕事を求めている求職者の多さを浮き彫りにした。全国の求人倍率は上がっていても、将来が保証された職種につけない人は少なくない。自分から辞めますといわない限り、終身雇用が保証されている職種に人気が集まるのは必然といえる。
公務員採用では筆記試験を受け、合格者が面接に進める。一般企業が書類選考で人選するのに対し、こちらは学力を優先とする。面接の権利を勝ち取るために、勉強しなくてはならない。
新卒採用が前提となっている日本では、新卒で就職できなかった場合、カムバックするのは容易ではない。よほどの才能を持っていない限り、道を踏み外してしまったら戻ってこられない。天才以外は泣き寝入りするしかないのが実態だ。
狭き門をくぐって、入社を勝ち取るのは誰になるのだろうか。動向に注目したい。
宝塚市に追随して、氷河期世代で涙を呑んだ、人間にチャンスを与える企業が増えるといいな。
文章:陰と陽