福祉・医療

障碍によるハンディを理解する

 

  障碍当事者にとって辛いことの一つとして、努力しても相手に伝わらないことが挙げられる。精神障碍者もかなりの苦難を強いられるけど、知的障碍者とは比にならない。彼らにとっては死活問題と呼べるほど大きな問題だ。

 知的障碍を患っていると、成長のボーダーが一般人よりも低い統計結果があり、軽度知的障碍で一般人の半分ほどにとどまる。重度となるとより重くなる。汗を流したとしても結果に繋がらないことがままある。

 日本の風潮として才能を否定する人が多いけど、知的障碍者は紛れもなく成長の壁に阻まれている。生まれつきの障碍を抱えることによって、計算、空間把握、言語力、瞬発力、指先のいずれかが他人よりも著しく劣っている確率が高い。一般人が1000年解析したとしても分かり得ない、生きにくさを感じている。

 人間社会は結果のみで判断してしまいがち。成果を上げられなければ、やっていないとみなされる。それゆえ、知的障碍者は能力で褒められることはほとんどない。

 他人に迷惑をかけることで、本来は関係ないはずの人格まで否定される。あるいは否定されたと思い込んでしまう。そのことで、心理に大きなマイナスを及ぼしてしまう。最終的にはひきこもり、自殺志願者などを生み出すことにもつながる。

 悪い空気はウイルスのように拡散し、病気を抱えていない者にも伝染する。負が新たなマイナスを生み出す。

 当事者の苦労を分かってほしいとは思わない。そうだとしても、もっと優しさのある社会で生きたい。障碍者が明るく生きられるような社会が構築されていくといいな。

 

文章:陰と陽

 

関連記事

  1. 障碍者、健常者の苦しみは異なる
  2. 誰にも長所はある【障碍者編】
  3. 薬の副作用が副作用でなくなり、主作用になることがある
  4. A型作業所は手帳を取得していなくとも利用できる
  5. 障碍者の切なる願い
  6. 支援者と知的障碍(発達障碍)は見ている世界が違う
  7. 就労移行で聞いておきたい質問
  8. 共栄はA型、B型併設作業所になる

おすすめ記事

電車の居眠り運転について考える

 JR東日本で社員の居眠り運転が発覚した。 運転手の居眠りしていた時間は一五秒ほ…

JR『京都駅』:駅近の観光案内

 観光都市『京都』。 JR京都駅は、京都を訪れる人たちの玄関口の一つですが、駅周…

障碍者支援機関に登録する際の注意点

 障碍者支援センターに登録しようと考える、障碍者は多いと思います。今回は登録する際の…

『でもあなたは…』―前を向き続きるから意味がある―

立ち止まる度に…あなたは落ち込んでいた。空を…

大相撲における十両と幕下(上位)の違い

 「大相撲」の秋場所が始まった。 大相撲の番付は幕内、十両、幕下、三段目、序二段、序の口にわけら…

新着記事

PAGE TOP