【サッカー】今回のワールドカップでジャイアントキリングが多い理由
今年のカタール・ワールドカップでは、いわゆるジャイアントキリング(弱小チームが強豪チームを倒すこと)が多い印象を受けます。
グループリーグ第一節では、優勝候補の一角であるアルゼンチンがサウジアラビアに負ける波乱がありました。
また、日本が優勝経験のあるドイツとスペインを破って首位通過したことは、世界中に衝撃を与えました。
決勝トーナメントではアフリカの雄であるモロッコが、格上と見なされたポルトガルを倒し、クリスチアーノロナウドのW杯優勝の夢を打ち砕きました。
さらに、日本がPK戦で惜しくも負けた相手であるクロアチアが、なんと優勝候補筆頭のブラジルを、これまたPK戦で撃破するということもおきました。
こう見てくると、今大会はジャイアントキリングがとても多い印象を受けるかもしれません。
これには、大会前の欧州での過密日程による選手のコンディション問題や、カタールという地理的な特殊性などが理由として考えられます。
しかし、もっと重要なことは、そもそもこれらはジャイアントキリングなのだろうか、ということです。
ワールドカップに出場する国にはトップレベルのリーグで活躍する選手が必ず複数います。グローバルな選手の移動が始まって以来長くなり、どの国にもトップレベルの選手がいるのです。
グローバリズムが行き渡ることにより、人・モノ・金の移動の障壁が無くなって自由に行き来し、強い選手であればすぐに発見され買われていきます。
それがさらに浸透し、完全に当たり前なことになってからさらに長い年月がたったことにより、どの国にも素晴らしい選手がいるのです。
数々の試合がジャイアントキリングであるという見方そのものが、疑問に付されるべきではないでしょうか。そうした視点・フレームワークがすでに通用しなくなった時代に突入しており、昔のような力量の差はもはや存在しないのでしょう。
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文章:増何臍阿