福祉・医療

厚生年金の枠拡大による障碍者へのメリット、デメリット

 

 厚生年金の加入条件が501人以上の従業員を持つ会社から、51人以上へと変更が検討されている。

 改正案が実現すれば、障碍者枠で働く従業員のほとんどが社会保険、厚生年金に加入することとなる。(一般会社の法定雇用率は2.2パーセントなので、46人以上の会社が障碍者雇用の対象)障碍者ゆえに年金に入りにくい状況が改善されることとなる。その点においては大きなメリットとなりうる。

 障碍者枠で入社することのメリットがある一方、A型作業所に通所している利用者にとっては逆風となりうる(最低時給が高い地域かつ人員をたくさん抱えている企業は顕著)。時給1000円(東京、神奈川はすでに超えている)なら22日勤務(4時間)で88000円に達してしまう。複数の事業所を持ち、合計で51人以上の従業員を抱えていた場合、社会保険、厚生年金の加入が義務付けられることになりそうだ。補助金頼りで規模を大きくした(ある意味で甘い汁を吸い続けていた)、A型作業所に最終通達を行おうとしている。これからはきっちりと仕事できる人員を確保しなければ、経営できないようにしたといえる。

 今回の厚生年金の条件変更は、障碍者の人生に大きな影響を及ぼそうとしている。彼らはどの道を歩んでいくことになるのだろうか。

 

文章:陰と陽

 

関連記事

  1. 障碍者が仕事をする際に気をつけたい7つのポイント
  2. カード式の障碍者手帳もある
  3. 能力を重視する社会【障碍編】
  4. 障碍者就労の理想と現実
  5. 障碍者手帳更新及び自立支援手続き費用の一部補助を行う地域がある
  6. 松本俊彦『薬物依存症』(ちくま新書):ケアを考えるシリーズ4作目…
  7. 樺沢紫苑著『精神科医が教える病気を治す感情コントロール術』あさ出…
  8. 知的障碍の生きにくさ

おすすめ記事

『晴れた…』

晴れた空…髪をなびかせながら…少女は、森の中…

ショートショート『高齢者施設に変化』

  二〇五〇年、高齢者施設では異変が起きていた。入居者が集まらず、倒産に追い込まれる…

短編小説:『自動販売機』

ビルの出入り口のところに自販機があった。ふだんそれを利用すること…

『未来予想図』―未来に不安を抱くー

未来に不安しかない。だから…どう生きたら……

大相撲の十両と幕下の入れ替えは誰になるのか(2022年5月場所)

 2022年5月20日、10時30分時点の成績で、十両、幕下の入れ替えの予想をします…

新着記事

PAGE TOP