コラム

人の夢を笑うな

昨日から睡眠薬が減ったんですが、今朝は絶賛寝不足です(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。

なぜか唇の端が荒れて痛く、ヒゲが剃れない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「人の夢を笑う奴は、後で泣くんだよ!」などといった話です。

見切った!

さて。以前も書かせて頂きましたが、ここのブログ記事を書くようになって以降、スマホでニュースをチェックするようになりました。

色んな情報ソースがあり、同じテーマに沿っていても主張が違っていたりして、それはそれで面白いです。

ただ、やっぱり大半の記事は、こちらの記事、

「誇張と消費」

https://t.ly/tSa6

で述べたとおり、「読者の優越感」をただ煽っているだけの気がします。

で、ですね。さすがに具体名は伏せますが、某出版社系列の記事。

これが、ことさらに「異質な者を貶めて、読者の優越感を満たして」いるようにしか思えない。

ただ、「ここはこういうところだ」と分かったので、もう逐一惑わされたりはしません。

夢を笑うな

その「前提」を持って、今日もニュースを見ていました。

と、またしても、例の出版社系列の記事が。

タイトルは、

『月収25万円・40歳目前〈小説家〉を夢見る“あえての非正規社員”男性も猛反省…データで見る「正社員との強烈な格差」』

ある意味で「キャッチーだな」と思っていたら、やっぱりでした。

記事の主題は、「正社員と、非正規雇用の格差」なのですが。

「スパイス」としてか、「有名大学卒業後、小説家を目指していた三十八歳の男性」のケースに触れられます。

いわゆる「失敗、イタイ例」としての扱いで、僕としては、気分のよかろうはずもない。

そこには、

「小説家なんて仕事は、目指すこと自体が愚か」

という、読み手の「共通認識」があるように思えてなりません。

芸術家は卑しいか?

もっと言えば、「小説家(広義での芸術家)」というのが、「卑しい職業」であるという「共感」を煽っているように思える。

なるほど確かに、「安定」とはほど遠い仕事ではある。

同時に、たやすくなれるものでもない。

ただ、「目指すこと」自体が悪いのか?

「夢を追うこと」も悪いのか?

さらにムカついたのは、前掲の記事内で、その小説家志望の男性が、

「意地になって書いていたが、父親が倒れたのを機に、何をやっているのかと思った」

という趣旨を語っているんですね。

「意地になること」が「無様」であるという「常識的見解」。

かつ、「我に返って反省する」ことで、「そうだろ? 目が覚めたか?」という「多数派の共感」を呼ぶ。

しかも「三十八歳」という年齢が、もう一段「手遅れ寸前」という「共感」を煽っている。

世間一般的に、「四十歳にもなったら、人間、腰を据えるべき」という不文律ライクなものがありますからね。

つまりは「ギリギリで目を覚ました」ことに、「よかったね」と言っている。

夢を見るなと?

大多数の人間は、「安定した無難な人生」をよしとします。

自分の腕一本で食っていくのは、並大抵のことではありません。

ですが、夢を持つこと自体が悪いのでしょうか?

ちょっと話は飛躍するようですが、僕が大学時代に、演劇部で世話になった先輩がいます。

その方、最初は広告代理店に勤めていたのですが、一念発起して吉本興業に入り、地道に芸能活動をやっています。

不安定の極みではあれど、夢を追うその先輩を、誰が笑えますか?

いや、もし笑う奴がいたら、たとえ神仏が許しても、僕が許しません。

夢というのは、叶えるまでの過程で(あるいは、叶ってなお)、往々にして安定を犠牲にします。

ただ、その「リスク」ごときで怯むようでは、叶う物も叶いません。

人の夢を笑う奴は、安定と引き換えに、クソつまらない人生を送るんですよ。

どうでもいいのですが……

前掲の記事内に出てくる、「我に返った」小説家志望の男性が書いた作品。

機会は絶対に無いにせよ、一度読んでみたいですね。

僕の個人的な見解なのですが、「書いても書いてもダメ」って、あんまりないんですよ。

いや、僕も威張れるほどの実力なんざないですけど……

小説家志望の人間の中には少なからず、「空回り」したり、「勘違い」しているタイプがいるのは事実。

「すってんころりんアイタタター!」(バリトンボイスで)(電波)

いっちょ、「諦め(られ)るレベル」の作品が読んでみたいという、ひょっとしなくても意地が悪くて下世話なアレ。アレって何だ。

あえて冷たい言い方をすれば、確かに家族は大事ですが、親が倒れたぐらいで「我に返る」ようじゃあ、まだまだなんじゃ? とか思います。

それに、月収が二十五万円もあるなら、恵まれているだろう? とも思う。

実際の話、専業作家って、すごく少ないんですよね。

大抵の作家さんは、別の食い扶持を持っている、兼業です。

要は、両立してナンボ。

そこを「勘違い」している時点で、くだんの男性も、甘いんじゃあないか?

もっとも、諦めた人間に何を言おうが、どうにもなりませんけども。

まとめ

ってことで、まとめます。

「安定した堅実な人生」というものが、「正義」とされる中。

クリエイティブ職は、「安定していない」がゆえに、世間的には蔑まれます。

加えて、「誰もがなれる」わけでもないので、不要な嫉妬もされます。

大多数の人間は、「好きなことをして食っている」わけではないですからね。

ではあれど、「人の夢を笑う」ことは、誰にもできないはず。

ご時世的に難しいのはあるでしょうが、堅実こそが絶対なる正義! という風潮には、異を唱えたいです。

 

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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