コラム

懸賞小説の話とか。

「ぶん殴ってやる!」とは、いささか下品なので、「殴打(おうだ)して差し上げます」と言うのはいかがか(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。アレがナニしてマイルドにケンカを売られている気分になるものの、具体的には誰にも言えないステキな今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「承認欲求自体は悪くない。でもね!?」とかいった話です。

そういう話、書いていいんだ?

いえね? 本ブログ、割と最近の、他の方の記事を読んでいて、コンペの話が出ておりました。

ふむ、そっち系の話も書いていいのか? OK、じゃあ「僕の場合」を書いてやろうじゃあないか? と思った次第。

誇れない戦歴。

僕は根っから、「ものを書く」人間です。

もしかしたら、中には既に勘づいておられる方もいらっしゃる「かも」知れませんが、僕の前職は、ゲームライターだったりします。

「そっち系(お察し下さい)」ではありますが、キャリアは十六年ほどあったりね。

なお、関わったタイトルは、規模の大小を問わなければ、六十作以上になります。(お察しください)のジャンルであれ、関わったタイトルのうち、都合四作がアニメ化もされてます。

で、これはまあ、もう十五年近く前の話になるんですが、僕の同期のライター仲間が、どんどんライトノベルデビューしたんですよね。

中には、(普通の)アニメ化までされた知り合いまでいる始末。そりゃあ焦りますよ。置いてけぼりは嫌ですよ。

ただ、残念なことに、僕には、出版社編集部とのコネがない。

あんまり綺麗な話じゃないんですが、ラノベデビューしたライター仲間は、ほぼもれなく、出版社と、何らかのコネやツテを持っていました。

じゃあ、コネのない奴がラノベデビューしようと思えば、新人賞に出すしかない。ラノベの新人賞、山ほどありますしね。

が、どっこい。ダメなんだ。そもそも、百歩譲って技量を差し引いたにせよ。

焦りと功名心に駆られて書いた作品なんざ、面白かろうはずもない。結果、どこへ出しても、一次選考突破止まりがせいぜい。

この辺については、「ゲームシナリオ」と「小説」が、まるっきりの別物であり、それ以上に(我流であれ、教えられてであれ)「ちゃんとした作劇法」を会得していなかったってのが、致命傷だったわけですが。

僕が今までで一番善戦したのは、ラノベではなく、一般文芸のジャンルで、秋田県の某地方新聞社が主催する文学賞において、最終選考の五作に残った事があるぐらいです。

受賞こそ逃したものの、(主催社の新聞に名前が載った、という意味で)立派な(?)「成功体験」ではあったので、その後の僕の、プライドの一端をになうに十分でした。

なお、その一般文芸作。「三時間でプロット(あらすじ)を組んで、三日で原稿用紙百二十枚ちょっと書いた」という、まさしく「毒電波の仕業!」としか思えなくて以下略!

そうなんですよね、世の中、えてして「無欲」の方が強かったりするもんです。

承認欲求?

なるほど、それもあるかも知れない。ただ、先述の通り、変に「狙う」と、まず間違いなく「滑る」もんです。

単に「客観的な技量を測る」ぐらいの目標で、なんなら、応募の事実を忘れるぐらいでちょうどいいんですよ。そういうもんです。

どこかのニュースで読んだんですが、Z世代の半数以上が、「どんな手段を使ってでも、他人に認められたい」という、承認欲求を持っているそうです。

欲求を持つこと自体は、別に構わないと思うんですけど、手段を選ばずってのが、ちょっと引っかかります。

そこへ持ってきて、想像力が欠如してると、あの、回転寿司チェーンで醤油差しをペロペロするような、アレな輩が生まれるわけですよ。

特権やも知れず?

僕なんかは「ものを書ける」わけですから、承認欲求は、そっち方面で解消できます。

つか、過去のライター時代、なまじ関わったタイトル数が多かっただけに、承認されるどころか、フルボッコの目に遭ったこともたくさんありました。

自慢にも何にもなりませんけど、「地雷(駄作の意味)製造機」なんてえ二つ名を付けられたこともあるぐらいです。

なので、いささか「何様?」的な言い方になりますが、承認欲求に躍起になる人々の気持ちが、イマイチ分からないんですよね。

別にものを書くことに限らず、何らかの趣味を持っていれば、その得意分野に情熱をぶつければ、それで済む話だとは思うんですが、はて?

この辺、僕が「書ける」というスキルを持っているがゆえの、特権的思考かも知れませんけどね。

まとめ

ってことで、まとめます。

確かに、何らかのコンペ、ないしは懸賞は、応募しないことには始まりません。動機も、別に何でもいいんですよ。

承認欲求であれ、賞金であれ。それが悪いなんて言うつもりはありません。

ただし、妙なスケベ心を持つと、まず間違いなく、バカを見ます。そういう風にできてるんですよ、世の中って。

これは、かつて縁あって、直木賞作家の、故・藤本義一先生ご本人の口から聞いたんですが、あの方は、「直木賞を獲る」と紙に書いて部屋に貼っていたそうです。

で、挑戦した結果、本当に獲ってしまわれた。ただ、これは例外でしょう。

一部の天才でも無い限り、「狙えば滑る」。それを頭の片隅に置いておきましょう。

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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