コラム

補修が必要

 

線路沿いに木造アパートがある。

ある日、かなりの築年数と思われるそのアパートの前で、作業着姿の中年男性と風貌のしっかりした老人が何やら話し込んでいた。

 

そこを数週間ぶりくらいに通りかかったら、アパートの外階段がコンクリート造りのものに変わっていた。以前は鉄製の構造で踊り場が木材でできていたことを思い出した。

 

外階段の木造部分が腐食するなどして危険な状態になっていたため、補修をしたのだ。

もし何かがあったら責任を問われかねないため、大家が業者に相談していたのだろう。

これで思いだしたことがある。

 

時をさかのぼること数年。

 

昔ながらの下町であるA町の中心にA駅があり、駅前には高度経済成長期に作られた商業施設がその長年の役目を終えようとしていた。

 

その商業施設で、エレベーター事故が発生した。

 

エレベーターの利用者は軽傷で済んだのは幸いであったが、いろいろな事実が明るみになったのである。

定期点検を怠っていたこと、商業施設のテナントから徴収している修繕積立金がすっからかんになっていたこと、管理組合のトップと第三セクターの都市開発会社が積立金を着服していたことなどであった。

 

数十年前に建てられた建物、老朽化したインフラが問題になっている。

そこには様々な背景があるものの、多くは経済的な要因だ。

行政は何か問題があってからでないと動かない。むしろ問題の種を大事に育てていることもある。

 

市民としては、自分の身を守るため慎重な行動を心がけるとともに何らかの積極的な働きかけが必要である。

 

建物やインフラだけでなく、わたしたちの意識や考えにも補修が必要だ。

 

文章:parrhesia

関連記事

  1. 国民は怒っていた
  2. 口先だけの人が多いらしい
  3. エッセイ:『精進について』
  4. 共栄はA型、B型併設作業所になる
  5. 「見ない自由」を行使したいのに
  6. バスの中で酔っ払って寝る
  7. 他者のために生きる
  8. 短編小説:『異常な世界』

おすすめ記事

コロナ自粛は別の意味の危険性を伴う

  コロナ対策のために、「Stay home」、「営業自粛」をしましょうという呼びか…

『全て失っても』―失うことになってももう戻せないー

もうどうでもいいと思った瞬間…今までの人生を……

阪急『十三駅』:駅前紹介

 阪急十三駅は、大阪の中心街『キタ』から2駅の所にある繁華街の中にある駅で、飲み屋街…

小説:『出会いはどこから転がり込むかわからない 下』

前回まで・小説:『出会いはどこから転がり込むかわからない 上』・小説:『出会…

京阪電車に車両ジャック予告(予告日は2021年7月24日)

 コロナは茶番だと主張する団体が、7月24日に京阪電車にマスクをつけずに乗車すると予…

新着記事

PAGE TOP