コラム

菅野仁『友だち幻想  人と人の〈つながり〉を考える』ちくまプリマ―新書

 

菅野仁『友だち幻想  人と人の〈つながり〉を考える』

 

2008年に刊行された本ですが、10年以上の歳月を経ても未だに重版を重ねていると聞き及んでいたので、遅ればせながら手に取った次第です。ちなみに、著者は大腸ガンのため、2016年に他界されています。

 

本書の中で、著者は家族の関係と学校などで知り合った友人関係の違いを述べますが、本質的には同じような視点で捉え直す必要があると語ります。

それがどのような視点かと言いますと、相手を「人格を持った一人の他者」ということを意識して対応する必要があると言うのです。

 

近代までは、相互扶助的な関係性を中心にして人間関係を形成しなければ、生活自体が立ちいかなかったわけですが、高度成長期を経た現代社会では、一定のお金さえ持ち合わせていれば、人間関係は極めてドライな関係に留めておくことも可能な社会です。ですから、どうしても友人を作らなければならないと躍起する必要はなく、自分自身の器量を推し量った上で、各人ごとにより良い関係を築いていくべきだと、著者は考えておられるようでした。

 

本書は、これから社会に出て行く人向きの本ですが、平易な言葉遣いで書かれているので、誰にでも読みやすい内容に仕上がっています。それが昨今、再び話題本に上がってきている要因にもなっているのでしょう。

 

https://www.atpress.ne.jp/news/162410

©10年前の新書『友だち幻想』が異例の売れ行きで30万部突破!各メディアが紹介する、現代人への「処方箋のような本」|株式会社筑摩書房のプレスリリース

 

文章:justice

関連記事

  1. ITエンジニアをしても、しなくても、人生は続く
  2. 優秀な人から昇進できるわけではない
  3. コロナ禍の区切り、だが。
  4. 気を付けろ!スイマーがやってくる!
  5. スマホで副業?
  6. 映画『TENET テネット』をご紹介
  7. 「善き友」を求めていきたい
  8. 自分のために、「人のために生きよう」

おすすめ記事

健康であること

筆者は、最近、身体が疲れやすくて、年のせいかと思っていました…

私の父は電車の運転手をしていた

『尊敬出来る父親』私が子供の頃、父は電車の運転手をしていました。…

エッセイ:『不思議な事』

世の中には不思議なことが、多くあります。生命に関する…

『何色にしますか?』―キャンバスに色を描こう―

あなたの…キャンバスは…何色に染めたいですか…

沖縄観光スポット【ベスト5】⑤

沖縄を訪れた際、必ず行ってみて欲しい「観光スポット」をご紹介します。さて、いよい…

新着記事

PAGE TOP