プロ野球のドラフトでは育成選手が49名指名された。
育成ドラフトは現時点でプロのレベルに達していないものの、将来を担う素材になりえる選手を指名する。即戦力としてではなく、素材の開花を期待しての入団といえるのではなかろうか。
プロのレベルとはみなされていないため、育成選手は支配下登録よりも待遇は悪い。契約金をもらうことはできず、(200~300万の支度金のみ)年俸も240~300万円と、支配下登録されている選手より条件面で格段に劣っている。
オープン戦や二軍戦などの実践において、抜群の成績を残した場合、育成選手から支配下登録される。確率はおおよそ20~25パーセント。4~5人に1人の割合で一軍の試合に出場する権利を得る。
支配下登録される率は20~25パーセントなので、75~80パーセントは育成選手のままであることを見逃してはいけない。大半の選手は一軍に上がる権利を有することなく、ユニフォームを脱ぐことになる。
育成から支配下登録になったとしても、高い壁が立ち塞がる。巨人の坂本投手のように、支配下になった年に解雇されるケースもありえる。元々の期待値は高くないのか、支配下された選手よりもクビになりやすいのかもしれない。(すぐに一軍の試合で使ってもらえるため、ドラフトの下位で指名された選手よりはチャンスはある)
夢のないように思える育成選手ではあるものの、超一流まで上り詰めるプレイヤーもいる。ソフトバンクの千賀、甲斐、巨人の山口などは育成の星と呼ばれるまでに成長した。山口は年俸3億円以上を得るなど、育成選手制度からのし上がった選手といえよう。
他にも育成から支配下登録を勝ち取り、一軍としているプレイヤーもいる。彼らは育成制度が存在していなければ、日の目を浴びることはなかった。
確率は低いものの、将来に夢を見られる可能性もある育成選手。2020年のドラフトで育成指名された選手たちは、超一流に這い上がっていけるのだろうか。
文章:陰と陽