薬の薬効より、副作用の有用性に注目がされて、副作用を主作用にして使われる薬があります。
抗ヒスタミン薬の『ジフェンヒドラミン』は抗アレルギー薬、風邪薬、酔い止め薬等として利用されていましたが、副作用の眠気をもたらすことが有名でそのため睡眠改善薬として販売されるようになりました。
睡眠改善薬とは、医者の処方箋なしに薬局で買える医薬品ですが、ジフェンヒドラミンは集中力や記憶力や判断力や作業効率の低下をもたらし、能力の低下を自覚できない能力の低下、『インペアード・パフォーマンス(鈍脳)』を引き起こします。
このため抗アレルギー薬、風邪薬、酔い止め薬等としての服用の時も、睡眠改善薬としての服用の時も、能力の低下があるものとして、自動車や自転車の運転をしない様にしないといけません。
『フコスデ』は『ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩』の『合剤(複数の薬効成分を一つにした物)』で、『急性気管支炎,慢性気管支炎、カゼ・上気道炎、肺炎、肺結核』等の咳止めとして利用されていますが、ジヒドロコデインリン酸塩の激しい下痢症状の改善の薬効を利用して、フコスデも下痢止めとして使われることがあります。
『アスピリン』で知られる『アセチルサリチル酸』は、解熱鎮痛剤として使用されています。副作用として出血が起こりやすくなるという副作用がありますが、それを使って血栓が出来にくくし、血をサラサラにする用途で使用することがあります。
『バファリン81mg錠』(アスピリン量81mg)等が血栓予防として処方されます。この場合の副作用は消化器潰瘍等の胃腸障害。血が止まりにくくなる出血傾向。鎮痛剤として市販薬のアスピリンを併用すると過剰摂取で健康被害のでる可能性があります。胃腸障害は胃で溶けずに腸で溶けるアスピリン腸溶錠にすると胃腸障害が出にくいです。
『シルデナフィル』は、はじめ狭心症治療薬として開発されていたが、治療効果があまり良くなく試験薬の回収をしたところ返却をしぶる被験者の存在によって勃起を促進する作用がある事が発見されED治療薬として開発、『バイアグラ』として販売されました。
バイアグラは1998年アメリカでの発売から、異常ともいえる約半年の速さで日本での製造承認が臨床試験無しで1999年に厚生省から出て日本でも販売されました。普通、新薬の承認は10年以上かかることが普通であるのに、人の生き死にかかわることが少ないED薬バイアグラが即時承認販売されたことに疑惑や非難が、当時起きました。
シルデナフィルは、その後『レバチオ』として肺動脈性肺高血圧症治療剤として販売されました。レバチオは副作用として持続勃起があります。狭心症治療もED治療も肺動脈性肺高血圧症治療も血管拡張作用が薬効という基本は変わりません。
バイアグラをED治療専門医に処方してもらうのが恥ずかしくて、成分が同じレバチオをネット通販や個人輸入して服用するのは大変危険で、最終的に医者に迷惑がかかるのでやめておくこと。医者は専門家なので、あなたの性生活に保険点数分しか関心を持ちません、患者の性生活なんかは二の次です。
文章:北山南河