福祉・医療

誤魔化しながら継続していく障碍者支援

 

「最初と比較すると、作業スピードが格段に早くなりましたね。」

 就労支援の現場でよく耳にする言葉。成長をたたえるためにいっているのだろう。

 これ自体には嘘はないと思う。前より進歩していることは間違いない。ただ、肝心な部分に触れていない。そのことに気づける障碍者は一歩前進している。反対に気づいていない人は、支援者が大事な部分を避けていることをわかるように力を尽くしていきたい。

 就労支援事業の目的は、一般会社に就職することであって、通い続けることではない。福祉事業を利用して、一般就職をするのが最終目標だ。

「一般会社に勤められるスキルを身に着けましたね」

 上記は支援者が避けている表現だ。能力は以前より格段に向上していても、一般就労するための力量を身につけていないのはわかっている。それゆえ、こういった表現を用いることはしない。

 障碍者支援のからくりに気づいていく。人間として成長していくためには、言葉を鵜呑みにするのではなく、別の角度からとらえるようにしていこう。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. デイケアから、福祉就労(一般就労を含む)を目指すという考え方
  2. 空気を読むのと他人の感情を理解するのは別問題【障碍者編】
  3. 発達障碍者からすると、利用者に寄り添うという企業理念はでまかせ
  4. 躁鬱病の躁状態だから、普段より成果が出るとは限らない
  5. A型作業所は手帳を取得していなくとも利用できる
  6. 地元の名産である(五島手延べうどん)に特化したB型作業所の紹介
  7. 障碍者との勤務に賛成か反対か
  8. 支援機関は一部の障碍者の人間性を否定する場所

おすすめ記事

小説:『純喫茶』

そこだけが時代の流れに取り残されたかのような場所だった。空を見上…

障碍者福祉における支援者側の課題

 障碍者の支援における問題点のひとつに挙げられるのは、支援者が利用者の苦しみをわから…

『苦しみから…』―苦しみから解放させて―

縁を切った…切られた…その記憶を…&nb…

クラシック人気作曲家⑩

皆様こんにちは!桐谷 凛花(きりたに りんか)です。今回も宜…

漫画は活字の枠に入らない

出典:いらすとや. All Rights Reserved.昨今の活字離れには寂…

新着記事

PAGE TOP