コラム

クリエイティブ系B型就労継続支援施設の実際

メタクソ疲れていて、メタクソキツい睡眠薬一式を飲んでいるにも関わらず、やたら早い時間に目が覚める不条理について(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。

私事で恐縮ですが、先日、二年掛けて書いた、約十七万四千文字の小説を懸賞に応募して、肩の荷が下りた気がする今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「クリエイティブ系B型施設ってね?」とかいった話です。

いい悪い、の問題ではなく

さて。世の中、障碍者向けの就労継続支援施設というのが多数あります。

A型とB型があることは、当事者、あるいは少し詳しい方なら、ご存じかと。

おさらいしておくと、雇用契約を結ぶ方がA型、結ばないのがB型です。

であるがゆえに、A型施設への通所は、「就職」扱いになりますが、B型は、通所していても、対外的には「無職」です。

メタクソざっくり言えば、A型は「仕事をする場所」であり、B型は「家以外での居場所」ですね。

週に二十時間以上の労働が難しい障碍者、というのも、結構いらっしゃいますから、どちらがいい悪い、の問題ではありません。

加えて、悲しい現実として、障碍者って、身内からも理解が得られなかったりするんですよね。

肩身の狭い思いをせねばならないがゆえに、居場所が必要なのも、十分に分かる話ではあります。

個人的なケース

で、ですね。僕が今いるのは、A型なんですが、少し前まで、B型に通おうと思っていました。

過去、二ヶ所のA型を渡り歩いた経験があるんですけど、疲れたなー、と感じてたんですね。

ただ、残念ながら、僕は、手先が超絶に不器用なので、内職の類ができない。

最初のA型施設では、内職をやってたんですが、えらく苦労したのを覚えてます。

クリエイティブ系のスキルが活きる施設はないものか?

二つ目のA型施設が「そう」ではあったのですが、ちょっと色々話にならねえところがあって以下略。

そこで、調べてみたんですよ。

「クリエイティブ系」を標榜する、就労継続支援施設は、結構ある。

ただ、B型がほとんどで、最初は「なんで?」と思ったんですが、理由が明らかになりました。

「就労」継続支援施設、ですから

家の最寄りに、クリエイティブ系B型就労継続支援施設が新しくオープンすると聞き、見学に行ったんですよ。

が、どっこい。ある意味で失望したと同時に、深く納得しました。

どういうことか? それは、「好きなことをやって、お金をもらえるわけではない」ということ。

僕が見学に行ったB型施設も、「仕事時間」と「学習時間」が区切られていました。

「仕事時間」は、施設の定めた作業をしなければならず、これはそういう決まりだそうですが、一日最低三十分は必須。

で、個々人が好きなこと……つまり、イラストを描いたり、小説を書いたり……は、「学習時間」にあたり、時給(工賃)は発生しない、とのこと。

その「仕事」とは? と聞いてみると、「ゲームセンターで使うメダルを磨く」か、「税理士事務所からの依頼で、領収書のデータ入力をする」か、だそうです。

ちなみに、工賃は、一時間当たりで二百円だそう。

そりゃそうだよなあ

なるほど、と思いました。

だってそうでしょう、絵を描いたり、小説を書いたりすることは、最も悪く言ってしまえば、「個人の道楽」です。

要は、金銭の発生する道理がない、イコール、施設の利益にならない。

そんなウマい話はないだろうな、とは思っていましたが、そういうことのようです。

さすがの僕も、ためらいました。

確かに、家で親の冷たい視線を浴びながら、自分の原稿をやるのは、ちょっと辛い。

なるほど、理解のあるスタッフに囲まれて、家以外の場所で好きなものが書けるのは、いいかも知れない。

が、しかし、分かっちゃいるけど、金にはならない。

なんせ、一日四時間のうち、仮に仕事を二時間やっても、一日の稼ぎは四百円。月に二十日通ったとしても、八千円。しょっぱい。

否定してるわけじゃないんだ

いっときは僕も、細かいことはどうでもいいから、そこに通おうと思ったんですが……

そんなタイミングで、今の施設の求人を見つけられて、拾ってもらえたんですよ。大変、運がよかったです。

障碍を持っていることと、クリエイティブ性の有無は、関係がありません。

必要な方が通えばいいだけの話ですから、それはそれでいいんですが……

ごくごく個人的には、「クリエイティブ……か?」というレベルのものを、堂々とSNSなどで公表している時点で、「うーん!?」とは思います。

いや、誰だって最初は素人ですし、慣れていけば腕も上達します。

ただ、僕自身が自分のスキルのレベルを考えた時、「さらに腕を磨く」とか、「切磋琢磨」という言葉からは遠いな、とは思いました。

まとめ

ってことで、まとめます。

誤解のないように繰り返しますが、クリエイティブ系B型施設も、そこに通所されている方々も、否定するつもりはありません。

まして、マウントを取るようなつもりも、毛頭ないです。

必要としている方々がいるから、そういう施設がある。

しかしながら、僕とは相容れない。それだけの話です。

僕の親も、息子の性格をよく把握しているのか、「アンタも、ボランティアみたいなのは嫌やろ?」とか言いました。サー、イエス、サー!

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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