サスペンス・ホラー

怖い話『砂山』

 

わたしが幼かった頃の話です。

その時、わたしは公園の砂場でひとり、砂山を作って遊んでしました。

途中から、それに気づいた友人も参加しました。

わたしたちは、それまでにない大きな砂山を完成させました。

普通に立つと、お互いの姿が確認できないほどです。

わたしたちは、それにトンネルを掘ることにしました。

ひとりではトンネルを開通させるのは到底無理、ふたりでももしかしたら手が届かないかもしれないと思いながら、トンネル掘りをしました。

 

両側からどんどんトンネルを掘り進めていくと、やがて友人の手に触れました。

そしてお互いにがっちりと掴みあいました。

「開通だ!」

と、砂山の反対側へ回って見ると、そこに友人の姿はありませんでした。

友人はお兄さんが缶ジュースを飲んでいるのを見つけ、途中でトンネル掘りを投げだし、そちらへ行ってしまっていたのでした。

あの時、砂の中でわたしと掴みあった手は、誰の手だったのでしょうか?

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/47064461204/c03a0f8495/

 

 

関連記事

  1. 怖い話『バタバタバタ』
  2. 怖い話『地域ルール』
  3. 怖い話『電車内のいたずらっ子』
  4. 怖い話:『天井の顔』
  5. 創作『空の上からの悪戯』
  6. 怖い話『開けてください』
  7. 怖い話『相談事』
  8. 怖い話『水浸しの郵便受け』

おすすめ記事

クリスマスにチキンを食べる理由

  クリスマスでチキンを食べる人は多いのではないでしょうか。ただ、なんとなくという方…

怖い話『消えたラーメン屋のおばさん』

行きつけのラーメン屋へ、ひと月ぶりに行ったときのこと。カランカランとドアベルを鳴…

天婦羅は変わり種がたくさん存在する

 天婦羅は「江戸の三味」の一つであり、江戸(東京)の郷土料理。現在では世界各地に広が…

怖い話『散らかすな!』

うちの親は怖い。特に部屋を散らかしていると、すぐ怒鳴るのだ。…

『ここまで来られた』―過去の流した涙が、今の自分を大きくさせるー

あの時流した涙が…あったからここまで…諦めず…

新着記事

PAGE TOP