福祉・医療

障碍者支援は「営業事務職」の側面が強い

 

 障碍者支援とは名前のとおり、障碍者を支援するための場所である。
 実際はまったく異なる方向に進んでいる。支援者の仕事は営業事務職9、障碍者支援1くらいになってしまっている。支援者は仕事を取ってくる、利用計画書をまとめることなどはできたとしても、障碍者をよりよい方向に導けているとはいいがたい。
 問題点のひとつとして挙げられるのはスキルと認められにくい、軽作業の仕事を取ってくる事業所が多いこと。実態は知らないけど、9割くらいを占めているのではなかろうか。作業所はレベルの低い知的障碍を想定しているため、一定のスキルが必要とされる仕事をなかなか取れない。運よく取れたとしても、能力不足でつき返される確率が高い。
 小学生であっても、できてしまうような軽作業の鍛錬をどんなに積んだとしても、実践的な能力を身に着けているとはいいがたい。A型でそういう作業を行っている場合、最低時給と引き換えに、年齢を重ねてしまう。よほどの才能がない限りは、若さを優先されるため、道を閉ざされてしまいかねない。パソコンなどの実践的な作業を行っているところなら、本人の能力次第で就職の道は残される。
 第二の問題点は障碍に対する知識はあっても、どのような苦しみをもたらすのかまでは解析できないところ。話がかみ合わないのであれば、支援にいきつかない。支援者が障碍者のことを真の意味で理解するのは、高齢化して能力を失ってからになりそうだ。
 障碍者支援ではなく営業事務職。このような状況から抜け出せるといいな。

 

文章:陰と陽

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